『かっこ良いと思うものは常に変化してゆきます。だから私は好きなタイミングで、自分の好きな音を表現する。』by Yummy Sakamoto(DJ Yummy)(DJ/講師/音楽ディレクター)

『かっこ良いと思うものは常に変化してゆきます。だから私は好きなタイミングで、自分の好きな音を表現する。』by Yummy Sakamoto(DJ Yummy)(DJ/講師/音楽ディレクター)

世界的なDJのDavid Guetta, NERVO, など若くして共演するだけでなく、iLOUD誌におけるDJランキングでは13年14年とベスト10DJに選ばれるなど独特の音楽センスで世界中の音楽好きを魅了してきているDJ Yummyさんに彼女のレーベルDonut Trax、DJキャリアトップ3の思い出を話してもらいました。

Yummy

1. DJ Yummyさんの、DJキャリアでのトップ3にはいる思い出は何でしょうか?
思い出深いギグは沢山あって、なかなか順位はつけられないのですが、DJブースでの印象が最も強く残っている(とインタビューのたびに答えている)のは、ネバダ砂漠で開催されたBurning man 2005のサンライズのロングセットです。もう一つは震災の年に日本の最も有名な霊山、高野山で行われたフェス。あと、IBIZAのビーチでチルアウトやスロウなHOUSEセットをプレイした昼下がりの景色が目に焼き付いています。共通しているのはどれも野外だという事ですね。クラブやフェスという舞台装置も十分で素晴らしいものですが、私の場合は自然の光や空間の演出が、お客さんの求めるもの以上に影響するといいますか、選曲とグルーヴ運びに最良のインスピレーションを与えてくれます。こちらがパワフルでいれば、フロアのレスポンスも自ずとそれに従って来るんです。だから野外は特に良い思い出になりやすいですね。

2. Donutz Traxについてもう少し教えてください。
自分の中で良いと思うアイデアが出てきたらそれに従うべきですが、日本のシーンにはチャンスがまだ少なく、いつもタイミング良くリリースできるとは限らないですし、かっこ良いと思うものも常に変化しています。だから私は一番ストレスなく発表できる仕組みとして、パーソナルなレーベルDonutz Traxを始めました。既に音楽以外にもZineや3Dデータなどもリリースしています。今はインターネットから発信できるしっかりとしたプラットフォームも多いですし、誰にでもすぐにレーベルを作れますから。お金は後からついてくれば、という感じ。人よりも3倍不器用な分、3倍の量でアウトプットして伝えたい気持ちが勝ったんでしょうね。Donutz traxはジャンルで自らを定義しないこと、そして私個人が経験してきたクラブやパーティ感を経由した音楽、そういったものを感じられるモノを届けていくことが基本コンセプトです。これからは私の作品だけではなく、自分の身の周りのアーティストさんの作品を中心に発表していけたらいいですね。まだこのレーベルは卵だから、これからカラを破らないとね…。

3. DJ Yummyさんにとって何が今現在の日本のEDMシーンでもっともエキサイティングでしょうか?
EDMはとても幅広いサウンドのDJが参加できる便利な言葉だと思いますし、ネットの時代ならではの斬新な概念だと思います。法律の問題などで日本のクラブやダンスミュージックシーンは少し閉塞感があったのですが、そういう雰囲気に対して皆がEDMに良いきっかけや変化の期待を持ち始めている事は確かです。例えば2014年に初開催だったULTRA JAPANは、圧倒的な情報力とパワーでそれまでダンスミュージックに無関心だった多くの日本人を振り向かせることに成功しました。そういう意味で、時代が変わる瞬間に立ち会ったと言えば大げさすぎるかもしれませんが、音楽ファンとしても、DJとしても、とてもセンセーショナルな出来事でした。

Dj Yummy

DJ Yummyさんの最新トラックはサウンドクラウドで聞けるので、リンクから聞いてください!DJ Yummyさん、ありがとうございました!