低域を適切にミックスする方法とは
LANDRをご利用いただいたトラックはこれまで数百万トラックにおよびますが、全体的に見て取れる傾向として、ある一つの問題点が浮かび上がってきました。それは「Lowエンド=低音域帯」の不足です
ミックス・エンジニアリングはそれ自体が芸術的作業です。例えばシンプルに、考え方として組体操の「人間ピラミッド」をイメージしてみてください。一番下の部分は「強固な基礎」の役割を果たさなければなりません。でなければ全員バラバラに崩れ落ちてしまいます。
ミックスも正にこれと同じでして、ベース(bass=低域)が十分に無いということは、強固なベース(base=基礎)が無いということに等しいのです。
さて、Lowエンドの不足はトラックの聴こえ方にどんな印象を与えるのでしょうか。
- 『とげとげしい感じ』低音域の不足は逆に他の帯域を目立たせてしまいます。仮に中音域が前面に押し出されて聴こえたとしたら、パッと聴きはいい感じに思えるかもしれませんが、早々に耳が疲れてしまいます。
- 『温かみに欠ける感じ』 低音域が不十分なミックスは温かみの無いサウンドという印象を与えてしまいます。低音域は他の帯域も含めたサウンド全体に丸っこさと温かみを与えてくれるのです。
- 『迫力が無い感じ』低音域が薄っぺらい感じだと他の部分も機能不全を起こして薄っぺらい感じになってしまう可能性もあります。「A+」の評価をもらえるようなサウンドというのは全ての帯域を等しく押し出してくれるようなバランスの良いミックスが施されているのです。
もしかしてあなたのミックスも『とげとげしい感じ』『温かみに欠ける感じ』『迫力が無い感じ』になってたりしませんか? 大丈夫!おまかせください。
低域を適切にミックスする方法
ここで犯しがちなミスは、ミックス作業に戻ったはいいけれど闇雲にフェーダーをいじって低域を強調するように突く、って感じなんですが・・・これダメ~!問題は解決しないばかりかより面倒なことになっちゃいます。
ではDAWを用いた作業でやるべきこととはこれ如何に・・・
- まずLowエンドを形成するチャンネルトラックをモノラルに~ つまりパンをセンターにセットします。
- ここでベースやドラムのキックといった低音域帯以外のチャンネルトラックは全部オフにして、低音域帯トラック群のみを先にミックスしていくのです。この作業を先に終えておくとLowエンドのパートについてはいつでもsoloボタンで確認出来るようになるというわけ。
- そしたら残りのチャンネルトラックのミックスに戻ります。もちろん先に作ったLowエンドのパートを聴きながら。この時Lowエンドのパートがその他のパートと同じくらいラウドに聴こえるように作業していくのが肝です。
- 最後にいよいよコンプレッサー の出番です。コンプは低音域帯にあるサウンドをまとめる接着剤のような役割を果たし、そしてミックスに漲るような張りを与えてくれます。コンプの調整が完璧に出来れば、聴かせどころとなる主要なパートはより一層際立って聴こえるでしょう。
最後の2ミックスに仕上げるにあたっては、テストループを作って何度かLANDRを通し、マスタリングを経たサウンドを確認してみるということをおすすめします。そうやって「完璧!」と思えるまで調整作業しましょう。
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