クリエイティブバーンアウトを避ける:11人のアーティストの自分の作品への対応
どんな芸術家でもひらめきだったりインスピレーションはそう簡単に常日頃湧いて出ているようなものではありません。 創造力は警告なしに出てきたり、出てこなかったりします。
しかし、長年にわたる芸術的作業からくるバーンアウトやスランプは回復するのが難しい場合があります。
それが長くて難しい創造的なプロセスの終わりであろうと、一時的なアイデアが出てこないスランプであろうと、厳しい時こそ音楽を作るという「音楽愛」に近づく方法を必要としています。
「創造性の健康」のためのセルフケアを含む音楽制作ワークフローを実践することは、経験豊富なクリエーターが日々対処していることです。
私たちはMUTEK Montreal 2018に参加した11人のアーティストに創造的なバーンアウトを克服するための最善の戦略について聞いてみました。
Machine Woman(マシン・ウーマン)
「肉体的な健康と精神的な健康を考えることは重要だと思います。散歩に行ったり、休憩を定期的にとったり、本を読んだり、コーヒーを飲みにカフェに行ったりと音楽に関わるスイッチのオンオフをしっかりすることをしています。まずはオンオフスイッチを日常の習慣にすることがいいスタートになります。 他には自分を取り巻いている人と人生の経験に感謝することはしています。 そして自分自身に圧力をかけることは極力しなかったり、他人と自分は比較しないようにしています。過度のプレッシャーを感じ始めたら、自分自身で息抜きができるようにします。 また、何か壁にぶち当たった場合は、助けを求めたりするのもいいと思います。」
María Laura Ruggiero(マリア・ローラ・ルギエロ)
「私の場合、バーンアウトは決して創造的なものではなく、商業的なプロジェクトに取り組んでいる間に、個人的なプロジェクト用に時間や探究心を向ける時間がないことになります。言うならば、「これは私には向いていない」と言うことを学ぶことです。日常的な瞑想や自然の中で時間を過ごすなどは、日常の世界から一歩離れる機会をくれ、時間と空間の異なる概念を経験することができ大いに役立ちます。
現実世界とのつながりは、人工世界を創造する上で重要です。瞑想の練習、静けさ、または創造的な動きは、創造的な練習だけでなく、信じられないほど刺激的でもあります。私はまた、初心者の心を持ち続けるようにしています。
特に自分にとって難しいと感じるスキルを学ぶというリスクを冒すことは、自分の芸術分野でより良いものになるための継続的な行動を手助けする謙虚さ、敬意する気持ち、そしてシンプルさの精神で植え付けてくれます。
さまざまな分野のアーティストとつながることも又、インスピレーションの掻き立てを助けます。たまに体を動かし、つにね考えている脳みそを止めてみて、物理世界に触れ、自分の手で物事を作り、できるだけ海で泳ぐことが自分に常に探究心を与え、私を夢中にして、創造力を掻き立て、旅行したり、そして共有させてくれます。」
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Push 1 stop & WIKLOW(プッシュ1ストップ&ウィックロー)
「私は一時昔まで、最高傑作を作る方法はできるだけ多くの作品をつくることだと信じていました。それは私が賞賛している多くのアーティストが非常に短期間の間に膨大な量の作品を制作していたからです。と同時に、尊敬していたアーティストたちもまた休みをとり、時にはその休みが長期に至るケースもありました。これはPush 1 stopとのコラボで経験した、個人的な最大の教訓でした。仕事をし続けてしまうと、同じアイデアを何度も繰り返してしまいます。特に締切が迫っている時などは、強制的に休憩を取るようにし想像力をハングリーにしています。自分のやりたいことが仕事であっても、セルフケアに時間を費やしたときに、どれほど効率的かつ独創的なことができるかは驚くべきことです。
クリエイティブなコミュニティを作る責任を負ってみましょう。プロジェクトに取り組むのではなく、創造的で魅力的な人々がただ一緒に時間を過ごす機会を作るのもいいでしょう。これはアーティストの仕事以上のことを意味しますが、これは好奇心が強さ、物事の性質に疑問を抱く好奇心を意味します。アイデアを共有することは、大きなインスピレーションの源です。他アーティストと一緒にいることは、プロジェクトに対する固執を取り除き、一歩戻って考えることを可能にします。」
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CNDSD & Iván Abreu
「CNDSD(Malitzin Cortes):個人的に、長年にわたって活躍してきたアーティスト同僚の多くと比べても、私の芸術的なキャリアは非常に急だったと考えています。今まで、芸術だけでなく、周囲で起こっている全てのことに目を配ることが非常に新鮮に感じてこれました。それは自分と似た観点を持った人が周りに多くいることに気づくことができたこと、そしてさらにその中でもまだまだ多くの疑問が世界にはあることに気づいたことです。科学的な研究とテクノロジーは私の情熱ですが、芸術や人生に対する信仰を失わないようにする大事な要素は探究心だと信じています。自分達が関心を持っている分野だけに執着するのではなく、何が起きているのかを感情的に感じることにしています。バブルの方法論や、自分の好き嫌いに左右されないように、できるだけ心をオープンにし自問自答や会話を再開するように心がけています。
イヴァン:「芸術的アイデンティティーの構築に関わる市場と経験を深めたり、驚かせたりする自分の作品の能力が生み出す束縛の両方の利点には気をつけなければいけないと思います。つまり、作品の内容と重要性だけでなくその文脈も、芸術的な経験は独り言ではなく会話であるため、アーティストと視聴者の間の「会話」が存在します。この視点から、質問、プロセス、サポート、および指示対象を変えることは、あなた個人のモチベーション、公共の共犯者、そして自分の仕事に対する親和性との対話を復活させることができるということです。」
Milena Pafundi(ミレーナパフンディ)
「個人的に、私が精神的にリラックスできる源は「研究や調査をすること」です。燃え尽きてきてると感じたとき、今自分が制作している曲のお題に関して、さらに深く研究したり、読んだり、映画やチュートリアルを見たりして理解を深めようとします。 時間が許せば、心が許せる仲間と時間を過ごすことや休憩もします。時に、他のアーティストが彼らの創造的なプロセスを進んでいるのをチェックすることで、多くを学ぶこともできます。」
Interspecifics
「私たちの場合、一番なのは、集団で集まって制作し、アイデアを共有したり視点を変えてみたりすることにより、創造的なプロセスをリフレッシュするための新しい空間(頭でも心でも)を作ることです。 異種性が鍵となり、人以外の協力者を見つけることなどで広範なコミュニケーションを刺激しています。」
Rrayen(レーレン)
「私にとって芸術は多くの異なるエネルギーのチャンネルであり、私たち自身もチャンネルとして働いていると思います。だから私は個人的にはバーンアウトは感じたことがありません。私の周りのすべてが刺激的であり、インスピレーションの源でもあります。創造的なバーンアウトはその個人個人の「居心地の良い空間」が何かによって攻撃された時におき、だから 私たちの心と精神を動かし続ける必要があるのかなと思う。」
DEBIT(デビット)
「想像力の燃え尽き症候群を避けるために、私は自分の音楽活動の範囲をバランス良く管理しています。一般的には自分の時間を音楽制作の時間、DJの時間、そして最近ではミキシングの時間とマスタリングの時間に分けています。 一つに集中するのではなく、バランスを取ることに気をつけています。これは自分の音楽的アイデアや経験を進歩させるのに役立ってきました。創造力はもちろん、すべてのもので競争力を維持することが重要です。 1つの選択肢で退屈に感じたりまたは怠けてきたら、単に別の選択肢に切り替えることができます。
音楽のタスクを多様化することにより、各スキルの向上を中心に考えることができるようになるました。結果的に、日常が興味深く、自分自身を刺激できる習慣になってきました。」
softcoresoft(ソフトコアソフト)
「燃え尽き症候群を助ける方法は何個かあります。まずは休憩をとること。私のお気に入りは外出(湖、コテージなど)すること、料理をすること、友達と素敵なワインを飲むことです。音楽があなたの趣味の範囲から、キャリア的なものに変化したら、また新しい趣味を作る必要が出ます!趣味は気持ちを切り替えるのを手伝ってくれ、疲れた精神に休憩をくれます。
第二に、本当に大好きなアーティスト/やDJを見に行くこと。いつも私に新しい発想や刺激を与えてくれます。結構あるのは、その新しいアイデアが自分の次の曲に生かされたりするケースです。さらなる特典は同時に曲と一緒に踊ることができたら、運動も兼ねちゃうから、最高!」
最後のポイントは、他の音楽虜にされている友人と音楽を一緒に聴くこと。ドライブ中に聴いても、音楽を楽しく聴くパーティーに参加していても、一緒に聴くことによって音楽タークに花が咲きます。お題は音楽制作から、特定の曲で自分が好きな要素だったり、特徴のあるものだったりと話すことは尽きません。同じトラックととっても、千差万別の解釈があるため、自分が気づかなかった曲の要素に気がつくチャンスができ、最終的に個人的に刺激を受けている曲について新しいことに気づくことができます。だから、次再びスタジオに収録にいくとき、今までにない新鮮なアイデアをたくさん持ちこむことができるんです。」
DJ LAG
「燃え尽き症候群はたまに起きますが、個人の作品制作で疲れを感じている時は、休憩を取り他の音楽を聴いて、さまざまな種類の音楽を気が向くままに聴き感じます。 たまに、私の感情的なコアにぶつかる幼少時に聞いた印象的な曲や先祖的につながりがある南アフリカの曲を聴いたりもします。創造力を掻き立てるのに、散歩やネットで色々検索したりもします。再び心の平和を感じたら、興味を引かせてくれるDAWの新しいプラグインを探したりしますね。 そこから遊び心がもう一度湧いて出てきます。」
この記事はMutek Montreal 2018と共同で作成されました。 Mutekとその他進行中の ローバルイベントについてもぜひ読んで見てください。今年のMutek Tokyo 2018は11月2日から4日まで今年もお台場Miraikanにて開催されます!ぜひ足を運んで見てください。