あらゆるミックスに対応する11個のベストディレイプラグイン

あらゆるミックスに対応する11個のベストディレイプラグイン

ディレイは、音楽をミックスする際に空間を作る、極めて重要なです

リバーブと同様に、ディレイプラグインは楽曲のアンビエンスを作りあげる鍵となるツールです。

しかし膨大な種類のディレイプラグインが存在しているため、自分の楽曲に適したものを探し始めた途端、創作活動のワークフローからはずれてしまいます。

ところがディレイの種類と、そのモデルとなったハードウェア機器の知識を持っていれば、適切なものを選び出すのは簡単です。

この記事では、4つの主なディレイタイプについて触れ、それらをミックスのどこで使うべきか、そしてあらゆるミックスシナリオに使えるベストなディレイプラグインは何かを紹介していきます。

でも、その前に・・・

ディレイはどのように動作するのか?

全てのディレイエフェクトは、時間の原理によって動作します。

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ディレイエフェクトの入力信号は、記録媒体へと送られ、そこで元の信号のコピーが作られます。そしてその信号は、一定時間(ディレイタイム)が経過したあと再生されます。

遅延した信号の一部は入力(フィードバック)に戻され、2つの信号はカスケードエコーのような音を作るために混ぜられます(Wet/Dryミックス)。

現代のディレイプラグインがどんなに複雑でも、全てのディレイエフェクトはこのシンプルなコンセプトに基づいています。

それでは次に、4つの主なディレイタイプを見ていきましょう。

テープディレイ

ある時エンジニアは、テープベースの録音システムがエコーユニットに使えるという事に気が付きました。

ディレイは本来、アコースティックエコーの自然な反響を模倣するためのものですが、テープディレイエフェクトは期待通りにはいきませんでした。

物理的な場所を節約するためテープはリール上に巻かれず、クローズドループ内のヘッドを通過します。それはディレイタイムを制限してしまい、さらにテープの摩耗を加速させます。

「ワウ・フラッター」、つまりテープの微妙な速度変動は、遅延した信号に微妙でナチュラルな変調を加えます。

「ワウ・フラッター」、つまりテープの微妙な速度変動は、遅延した信号に微妙でナチュラルな変調を加えます。

使い古したテープと不適切なバイアスはサチュレーションを生み、リピート音を不鮮明にします。

その当時には「不完全」と思われていたものが、今では高い人気を誇るようになりました。エンジニアたちは温かみがあって音楽的なリピート音を得るために、テープディレイを好んで使います。

テープディレイの使い方

テープディレイは、微妙な変調によって温かみがありながらも、ディテールにこだわったディレイサウンドが必要な時に完璧です。

テープディレイをミックスに適合させるための素晴らしい方法があります。ボーカルにはハイファイなスタジオテープモデルを、エレキギターにはザラついて使い古したテープスタイルを試してみてください。

ベストテープディレイ VST

無料のプラグイン:E-phonic Tape Delay

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E-phonic Tape Delay はシンプルですが、アナログテープサウンドを始めるのにオススメのプラグインです。

低価格プラグイン: IK Multimedia Tape Echo

テープディレイは微妙な変調によって温かみがあり、不安定なディレイサウンドが必要な時には完璧です。

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IK Multimedia’s Tape Echoは、人気ブランドの高品質なテープエミュレーションです。

シンプルで低価格な高音質のテープエコーを探しているならこれです。

プロ用プラグイン: Soundtoys EchoBoy

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Soundtoys EchoBoy はクラシックテープサウンドの業界標準です。多才で素晴らしい音質を持つディレイです。

この様々なテープモデルはとても正確で音質も優れているため、あらゆるミックスに適しています。

アナログディレイ

70年代半ばにアナログ技術が進歩するにつれて、テープを使用しないディレイが現れ始めます。

テープディレイのユニットは、音は良いのですが、大きくかさばり、扱いも難しくたくさんのメンテナンスが必要です。

ミュージシャン達は、ライブで確実に使える簡単でコンパクトなディレイを求めていました。

そこでエンジニアは BBD チップを使って、電子的なディレイを発明したのです。

暗く、淀んだアナログディレイのリピート音はすぐに人気を博し、ギターペダル用に小型化されました。

BBD(バケツリレー素子)はまさに期待通りに動作しました。まるで列に並んだ人々が次の人のバケツに水を入れるかのように、電圧が静電容量部を通過するのです。

このプロセスは十分機能はするものの、必然的にロスも発生してしまいます。

アナログディレイのリピート音はとても暗く不明瞭です。連続するフィードバックによってさらに信号の完全性は下がり、その後フィードバックに混ざって聞こえなくなります。

暗く、淀んだアナログディレイのリピート音はすぐに人気を博し、ギターペダル用に小型化されました。

アナログディレイVST

無料のプラグイン: Smartelectronix AnalogDelay

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Smartelectronix AnalogDelayはシンプルなアナログディレイプラグイン。

アナログスタイルのディレイを始めるのに適しています。

低価格プラグイン: Waves H-Delay

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Waves H-Delay はとても広範囲に微調整可能なアナログスタイルで、かすんだキャラクターと、BBDディレイのフィードバックを得るのにとても役立ちます。

プロ用プラグイン: Soundtoys EchoBoy

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Soundtoys EchoBoy はファンタスティックなアナログモデルとして優秀です。Boss DM-2 と EHX Deluxe Memory Man のようなクラシックユニットのプリセットがあるので、EchoBoy なら間違いありません。

アナログスタイルは、ザラザラしてディストーションのかかったボーカルや
汚れたパーカッションサウンドに適しています。

アナログディレイの使い方

スタイリッシュなローファイディレイが欲しい時には、アナログディレイを使いましょう。

アナログスタイルは、ザラザラしてディストーションのかかったボーカルや
汚れたパーカッションサウンドに適しています。

デジタルディレイ

さて、ようやくデジタルディレイの登場です(でもまだ記事は終わりませんけど)。

現代のデジタルディレイは正確に動作しますが、実は昔からずっとそうだったわけではありません。初期のデジタルディレイはその処理能力にかかるコストが高いため、厳しい制限がありました。

エフェクトデザイナーたちは、トリックをプログラムする事で全てを詰め込まなければなかったため、初期のデジタルディレイに独特なキャラクターを与える事になりました。

最初のデジタルディレイは1980年代のレコードにその独特なキャラクターをもたらしました。

最初のデジタルディレイで使われた初期の AD/DA コンバーターは微妙なコンプレッションと芸術性を持ち、1980年代の古いレコードでよく聞かれたおなじみのキャラクターを与えます。

ベストデジタルディレイ VST

(ほとんど)無料のプラグイン: HoRNet Deelay

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HoRNet Deelayは初期のデジタルユニットをモデリングした、機能的なディレイプラグインです。4,95 € と無料ではありませんが、リストアップするに十分ふさわしいと言えます。

低価格なプラグイン: Native Instruments Replika

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Native Instruments Replikaシリーズはディレイプラグインの世界では比較的新しいものです。

プラグインパックの(最も手頃な)ベーシックバージョンは、素晴らしいビンテージデジタルモデルを含んでいます。

プロ用プラグイン: D16 Repeater

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D16 Repeaterは非常に優れた、機能的なディレイプラグインです。

マルチタップエフェクト用に2つの異なるステレオディレイラインを持ち、とても説得力のある初期のデジタルデザインをエミュレートします。

デジタルディレイの使い方

ミックスに溶け込みながらも独特のキャラクターを持つという、クリアでリアルなディレイサウンドが欲しい時には、デジタルスタイルを使います。

これらのディレイタイプのモジュレーションパラメーターで、Depth(深さ)を強調して若干コーラスのかかったサウンドを生む事で、1980年代のベストサウンドが得られます。

プラグインディレイ

今日の DAW時代では、ハードウェアエフェクターはもはや唯一の選択肢ではありません。クラシックなモデルをベースにしない膨大な数のディレイが存在しています。

ピュアなプラグインの良いところは、パワフルでありながらも、同時にフレキシブルである事です。プラグインは想像しうる限りの(または想像を超えるほどの)、あらゆるタイプのディレイサウンドを作れるのです。

ベストなディレイはこちらです。

ベストプラグインディレイ VST

無料のプラグイン: ValhallaDSP FreqEcho

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ValhallaDSP FreqEchoはシンプルかつパワフルな無料のツール。風変わりなディレイサウンドを作ります。

リピート音のハイカット・ローカットフィルターやピッチシフターを使うことで、FreqEcho は魔法のように奇異なディレイを生成します。

低価格なプラグイン: ValhallaDSP UberMod

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ValhallaDSP UberModは FreqEcho のフル機能バージョンです。

UberMod では、32個のモジュレーションディレイタップと、広大なモジュレーションやディフュージョンパラメーターを使って、たくさんの面白い質感を作る事ができます。

プロ用プラグイン:FabFilter Timeless 2

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モダンな DSP エンジニアリングのチャンピオンである FabFilter が、洗練されたプラグインディレイとともに帰ってきました。

Fabfilter Timeless 2が持つフィルターとモジュレーションオプションはとても万能で、クリエイティブです。

プラグインディレイの使い方

プラグインディレイの使い方に限界はありません。モダンなディレイプラグインは素晴らしいサウンドデザインツールです。想像力を発揮して、全く新しいエキサイティングなサウンドを作りましょう。

ディレイを知り尽くしてミックスに活かそう

空気感や雰囲気を作る「ディレイ」は、とても音楽的な効果を生む、全てのエンジニアにとって不可欠なミックスツールです。

膨大な選択肢から最高のディレイプラグインを選び出すのは、骨の折れる作業です。しかしディレイの種類について知識を得る事で、早く目的のものにたどり着く事ができます。

さあ、これで異なる種類のディレイとその使用方法について知る事ができました。自分の楽曲で、いつもとは違うスタイルに挑戦してみましょう。

Toshinori

Ableton Live や Native Instruments Maschine 等のデジタルガジェットで音楽を楽しんでいます。愛犬家。SoundCloud

@Toshinori

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